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「三池闘争60年シンポジウムin関西」
 
炭じん爆発と高次脳機能障害―今につづく闘い―
 
日時:10月17日(土)10時20分(開場10時) 17時30分終了
場所:大阪市立阿倍野区民センター
資料費:1000円
 
305名の参加で大成功のうちに終了
 
シンポジウム・チラシ PDF
 
プログラム
 
第1部(10時20分)
映画「ひだるか」上映
特別上映 港健二郎監督
     主演女優・岡本美沙さん
 
12時30分 昼食休憩
 
第2部(13時30分)
「1960年三池闘争から60年」講演・報告
映像『労働者は命まで売っていない』上映
講演 立山寿幸さん(元三池炭鉱労組書記次長)
報告 中西徹さん(編集者)
報告 上原康夫さん(弁護士)
 
15時 休憩
 
第3部(15時)
シンポジウム『炭じん爆発と高次脳機能障害』
コーディネーター 近藤雄二さん
パネラー 
東川絹子さん(関西炭鉱と記憶の会)
伊藤憲一さん(大牟田吉野病院労組書記長)
山口研一郎さん(医師)
 
17時30分 終了
 
三池闘争60年シンポジウムin関西実行委員会
電話 080-5309-1536
E-MAIL
noguchi●my.zaq.jp
 *●を@になおしてください
 
立山寿幸さんのシンポ報告
三池闘争60年でシンポジウム 300人の参加で成功
(『月刊労働組合』2021年2月号掲載)*ワンドライブ収録
◆三池から現代へ、現代から三池へ◆
 今から60年前、石炭から石油へのエネルギー政策の転換がおこなわれました。

 1960年、三池炭鉱では普通に働く労働者を「生産阻害者」とし、指名解雇した経営者に対し、「去るも地獄、残るも地獄」として三池闘争が闘われました。
 三池闘争は「職場に労働組合を」という働く者が自由に発言できるようにしようという、ささやかで、あたりまえの運動でした。それを経営者は「生産阻害者」の
名のもとに首切りを強行したのです。
               
 三池の闘いは、全国の労働者への共感と広がりを持ち、『総資本対総労働』の闘いへと発展したのでした。三池闘争が終結するやいなや、経営者は生産第一のすさまじい合理化を強行したのです。本来、労働者の生命を守るべき職場の人員配置を極度に減らし、生産のみに奔走した結果、三川坑炭じん爆発という大惨事をひきおこし、死者458名、脳に障害を起こす一酸化炭素中毒患者839名の犠牲者を出したのです。この患者と家族の闘いは、抗議行動・裁判闘争・厚労省交渉など、今日まで続けられていますが、いまだもって経営者側の誠意ある謝罪は示されていません。

 一酸化炭素中毒後遺症については、2005年から隔年で開催されている「三池高次脳機能障害シンポジウム」に結実され、交通事故等による50万人ともいわれる高次脳機能障害問題と直結しています。今回の取組では、この高次脳機能障害の問題を中心に、三池闘争と結びつく労働運動の課題、そして徴用工問題にみられる炭鉱労働との関わり等を提起していきたいと思います。

 今回の催しが、三池闘争60年目の節目にあたり、人として生きる意味を考え現代から三池に呼びかけるものは何か、三池から現代に呼びかけるものが何なのかを考える機会になればと思います。この集会のメイン企画として、現地大牟田の吉野病院(旧大牟田労災病院)労組の伊藤憲一書記長をお招きして一緒に何なのかを考える機会にしていきたいと思います。
 このシンポジウムの構成が、長い時間多岐にわたりますが、実行委員会一同真摯に取り組んでいきたいと思います。皆様のご賛同っとご参加をよろしくお願いします。
 
 
 
 
                                                        2020年10月17日
             三池闘争60年シンポジウムin関西
                     決議文
                                       
私たちは、三池闘争60年目の今年、シンポジウムを開催しました。
シンポジウムを通して、以下の5項目を確認しました。
 
1.三池闘争とその後に引き続<大災害を引き起こしたのは、人命軽視の三井資本と旧財閥企業を支える国家です。特に、国は戦後の復興を石炭のエネルギー源に委ね、労務
災害に対する企業責任を明確にするべき責任がありましたが、生産を優先し放棄しました。
 
2.死者458人、CO中毒患者839人もの犠牲者を生んだ三川坑炭じん爆発の原因は、三井鉱山にあると司法判断が下されています。しかし、三井資本は損害賠償に限定し、未だに責任の表明と謝罪を拒否しつづけています。三井鉱山の承継会社・日本コークス工業株式会社の企業姿勢は、許容できません。
 
3.三川坑炭じん爆発の犠牲者であるCO中毒患者は、災害後57年経過した今もその後遺症である高次脳機能障害を抱え、大牟田吉野病院で療養・治療を受ける現実が続いています。
 大牟田労災病院を廃止する際、国は「高次脳機能障害の中核的医療機関を目指す運営を行う」確認書を交わしましたが、14年経過する現在もサボタージュして実現させていません。
 
4.大牟田労災病院の廃止反対運動を行ってきた連絡会議は、三池高次脳連絡会議(議長:芳川勝)に名称を変更して、国に「確認書」履行を求める運動を続けています。その運動には正義があります。
 
5.現在、様々な社会活動に伴って発生する高次脳機能障害の患者は全国で60万人にも達し、年ごとに増加しています。:大牟田労災病院から大牟田吉野病院に引き継いで蓄積するリハビリテーション診療の豊かな経験を、全国60万人に及ぶ高次脳機能障害の患者の治療に役立てるべく、「確認書」の早期履行が必要です。
 
 1963年、57年前に起きた、死者458人、CO中毒患者839人もの犠牲者を生んだ三川坑炭じん爆発、この大災害の原因は、炭鉱労働者の人命軽視と保安を無視した生産・利益優先主義という三井資本にあります。死者458人、CO中毒患者839人もの犠牲者を生んでおいて、企業が責任表明も謝罪もしない態度は許しがたいものです。さらに大牟田吉野病院には、今も8名の三池CO中毒患者が治療・療養をしています。全国では、高次脳機能障害の患者が60万人にも及びます。治療・リハビリ・生活支援のための中核的な医療機関の設立が望まれています。
 
 炭じん爆発の責任問題が現代につづく課題であることを踏まえ、このシンポジウムに集まった私たちは、以下のとおり決議します。
 
@ 三井資本(三井鉱山の承継会社である日本コークス工業)に対し、死者458人、CO中毒患者839人もの犠牲者を生んだ三川坑炭じん爆発の責任表明と被害者の霊と生存者、その家族に対して謝罪することを強<要求します。
 
A「大牟田吉野病院を高次脳機能障害の中核的医療機関を目指す運営を行う」と厚労省が患者に約束したことの履行を求める三池高次脳連絡会議の運動に賛同し、厚労省に「確認書」履行を即時実現することを強く要求します。
 
B 全国では、高次脳機能障害の患者が60万人にも及んでいます。リハビリテーション治療のための中核的な医療機関を全国に設立することを要求します。
                                     以上
 
 

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